BtoCと比べ専門性が高いものが多く、難しいと言われているキーワード選定をどのように行えばよいのか。また、「検索数がキーワードツールで調べても算出できない」、「それらの専門領域についての知見が無く、どんなキーワードがあるのかそもそも検討もつかない」などといった問題を解消します。
※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。
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BtoCと比べ専門性が高いものが多く、難しいと言われているキーワード選定をどのように行えばよいのか。また、「検索数がキーワードツールで調べても算出できない」、「それらの専門領域についての知見が無く、どんなキーワードがあるのかそもそも検討もつかない」などといった問題を解消します。
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今回はwebマーケティング、SEO事業を行っている株式会社アルコの黒須敏行さんに記事を寄稿いただきました。
株式会社アルコの黒須と申します。
普段自社のブログやITメディアなどでウェブマーケティングについて記事を書いていますが、今回、以前からファンとして購読させてもらっているインバウンドマーケティングブログで、「BtoBのSEO対策におけるキーワード選定の方法」と題し記事を寄稿することになりました。
BtoCと比べ専門性が高いものが多く、難しいと言われているキーワード選定をどのように行えばよいのか。また、「検索数がキーワードツールで調べても算出できない」、「それらの専門領域についての知見が無く、どんなキーワードがあるのかそもそも検討もつかない」などといった問題を解消します。
【目次】
読んで字の如くですが、商材を検討するユーザに聞くのが良いです。
今回は、調査として医療施設で100名前後の人事労務を担当する方に「過去に勤怠管理ソリューションを検討した際にどのように探したのか」をインタビューしました。
この担当者は1回の検索で2~3ページまでクリックして、その際に検索結果の説明文を見て、診療報酬改定に対応しているかどうか、近い事例がありそうかを確認し、良さそうなものをクリックして探していました。
SEO対策は1ページ目に表示されるのが大事という言説がありますが、この行動を見ると1番上に仮に表示されても必ずクリックされるとは限りません。
BtoBのユーザは多くの情報を比較検討したうえで、自分にあったものを選定している前提があるため、大事なことは特定キーワードで1位になることもそうですが、各キーワードに対応した情報を用意しておいて、各ワードでまず20~30位に入るようにすることだと感じます。また別のユーザで調査をすると、比較サイトなどで資料請求をするなどの行動も発見できました。
この他にも3名ほどインタビュー調査を行ったところ、「勤怠管理 比較」、「勤怠管理 料金比較」などで検索をするという発言をしていました。
このような場合は、比較サイトに出稿を検討するといった打ち手になります。
ここで大事なことは、「ユーザがどういった行動をしているのかを特定したうえで打ち手を考える」という発想です。またこういった調査は質問の方法がポイントになることも多いのです。今回検索ワードをヒアリングするために使った質問を紹介します。
これらの質問をすると、ユーザが何に対して関心を持っているのかをある程度把握することができます。
注意すべきポイントは「いきなり検索のことを聞く」のではなくそもそもどのような悩みを持って商品や情報を探しているのかを特定することです。そうすることで新しいキーワードの発掘やディスクリプションの最適化などのアイデアを見つけることができるためです。
よく使われるキーワードを事前にターゲティングしたほうが効率が良いです。
これらのキーワードがインタビューをするとよく上がります。キーワード毎にユーザが何を考えているのかを解説します。
商品の金額が高くなると、フェイス・トゥ・フェイスで打ち合わせできるかどうかが重要になります。これは信頼できる会社と取引をしたいという心理が背景にあるためです。商圏が限定されている場合は、キーワードと地域を主要商圏でターゲティングすべきです。
toCの商品と異なり、ユーザは各商品を比較した稟議書を作成し結果特定の会社の商品を上に提案する行動をとります。そのためそれぞれの商品の料金を調査し、自前のエクセルの比較表に記入をするという行動をとります。
これらの行動に対応するために、商品名に費用や料金といったワードをターゲティングする必要があります。またそこにダウンロードできる稟議書もあると非常にユーザフレンドリーです。
<参考例>
http://www.hunet-japan.co.jp/kintai/hikaku.htm(現在リンク切れ)
BtoBの商談で重要になる要素は
の3つです。
そのため自分と近い事例の業種と商品名を掛けあわせて検索する行動が観察できます。前述のユーザも「病院 シフト管理」と自分の業種とかけあわせた検索をしていました。今までの事例を整理した上で、
業界×商品(介護業界 勤怠管理)
目的×商品(シフト管理 勤怠管理)
のような切り口でページを作るのは筋が良い施策です。
ウェブサイトで成果を出すためにはユーザが知りたいことを解消する情報を用意する必要があります。ユーザは自分にあった商品を選びたいニーズがあるため、
商品名×選び方
商品名×選定基準
などのキーワードに対応した中立情報を用意すべきです。
最近ユニラボがリブセンスと共同で始めたimitsuというサービスもそういったキーワードに対応しているページを用意していることがわかります、
こういった観点でキーワードを発想するのは良いです。
ほとんどの会社は商品をカタログのように並べているだけですが、それだけでは不十分です。前述のユーザは検索ワードこそ「勤怠管理」や「シフト管理」でしたがそもそもリプレイスを検討している背景をヒアリングするとシフトの数が多すぎて、仕事の業務量が多くなってしまい大変だったという発言をしています。
おそらくですが、「勤怠管理 業務削減」・「シフト管理 作業時間短縮」などの課題を解決するキーワードを検索するユーザもいるでしょう。このようにインタビューで得た発見をもとにキーワード発想をすることが可能です。
最後に私がBtoBのSEO対策で大失敗した事例を紹介します。
各企業の電話番号やメールアドレスをクローリングした情報を営業リストとして販売する事業者のSEO対策を実施したことがありました。
営業リストを探すユーザの検索ワードを「愛知県 営業リスト」・「福岡 不動産会社 FAX番号」というように、地域と業種を掛けあわせたキーワードと仮定し、コンテンツを作ったのです。
この会社は無料のソフトをダウンロードしてもらい、気に入ってもらえたら有料のソフトを購入してもらうというフリーミアムのビジネスモデルを採用していました。施策によって検索流入が7倍になり、無料のソフトをダウンロードするユーザは約1.5倍に増えました。ただ肝心のソフト購入するユーザは全く増えなかったのです。
実際各キーワードの滞在時間などを見ると非常に短いものになっており、その場でユーザが課題を解消してサイトを離脱しているようでした。これはキーワード選定のコンバージョン定義を『無料の製品利用』にしたのが根本的な間違いでした。これを回避するためにはリスティングで、地域系のキーワードを出稿して売上が増えているかを検証すべきだったと感じています。
またフリーミアムのビジネスモデルでは、無料コンバージョンと有料コンバージョンそれぞれのキーワードを別に考えるべきという学びを得ました。
前提としてBtoB領域におけるユーザは
という性質があります。そのため特定ワードで1位を狙うことも重要ですが、まずはインタビューなどで関心を特定したうえでキーワードに対応した専門ページを用意することです。そして当たり前のことですが施策の効果は検索流入数だけでなく、売上につながるコンバージョンにすべきです。
キーワードを発掘する際に、キーワードを
分けて考えていく必要があるなと感じています。そして私のような失敗を回避してもらうために、リスティングなどで成果につながっているのかをチェックしたうえでSEO対策を実施できるのが理想です。
それではまたこの場所でお会いしましょう!
ガイアックスではお問い合わせ中心の効率的な営業を実現するBtoBに特化したWeb制作・運用支援をご提供しています。見込み顧客を獲得するWebサイト制作・リニューアルについてお気軽にお問い合わせください。