【目次】
コンテンツの質が低ければそもそも問い合わせ獲得は望めませんが、ブログで投稿するコンテンツを複数の担当者で当番制にしていたり、一部またはすべてを外注ライターに委託していると、どうしても記事の一貫性が損なわれ結果として問い合わせの質や量が安定しないといった事態に陥ります。
そこで、役立つのがペルソナ手法です。
ここではBtoBサイト用のSEOに強いコンテンツを作成する上でペルソナ手法を利用するメリットや具体的な手順をご紹介したいと思います。
Googleなどの検索経由で質の良いお問い合わせを数多く獲得したいという企業の担当者様は是非お読みください。
ペルソナを利用するメリットは大きく2つ
1-1.具体的な顧客像に置き換えることで感情移入しやすくする
コンテンツはタイトルと本文にSEOを意識したキーワードさえ入っていれば良いと考える担当者様も多いようですが、ターゲットのキーワード検索の背景には必ず「(検索エンジンによって)何か目的を達成したい」というニーズがあります。
ペルソナ手法によって顧客像を具体化し、1人の人物に置き換えることで感情移入しやすくなるため、その人がキーワード検索する理由や悩み、目的などのニーズが掴めるようになります。
これによって明らかにしたニーズを100%満たせるコンテンツは訪問者に喜んでもら貰えファンが増えると同時に、Googleの理念とも合致するため検索において上位表示しやすくなり、結果としてお問い合わせの量を向上させることに繋がります。
1-2.各担当者間で顧客像を共有するとコンテンツがブレず一貫性が出る
ブログの運用を複数の担当者間で回す際に各担当者がそれぞれ想定している人物像が異なると、当然コンテンツに全体としてまとまりが無くなってしまいます。これをペルソナ手法により顧客像を共有することでブログ全体に一貫性を持たせます。
これが結果としてお問い合わせの質を安定して向上させ、RSSやSNS、メルマガによる定期購読者を逃さないことに繋がります。
書店やコンビニで買える雑誌も顧客像を明らかにして、その人が興味を持つ情報を発信し続けているから熱心な購読者が付き媒体としての価値も上がるのです。これはWebでも同じことです。
BtoBサイトのペルソナ作成3つの手順
ここからは具体的にお問い合わせの質と量を劇的に高める上で重要な、BtoBサイトのコンテンツを作成するにあたってのペルソナ作成手順をご紹介します。ここでは仮に「インバウンドマーケティング」というキーワードのケースでご紹介していきましょう。
また、ペルソナは以下で紹介していくようなコンテンツを作成する各キーワードに対してはもちろん、サイト全体(TOPページに設定するキーワード)に対しても作成しましょう。サイト全体に対してのペルソナはコンテンツライター間のみならず営業⇔Webデザイナー⇔プログラマー間においての顧客像を共有することにも繋がり、UI/UXにおいても優れたWebサイトに仕上がります。
2-1.【手順1】ターゲット属性を仮定する
そのキーワードを検索する人はどんな人なのかの大枠をここで仮定します。BtoBサイトのコンテンツにおいては以下を具体化していけば良いでしょう。
ターゲット属性を決める際に1対1のユーザーインタビューや大人数を集めたオリエンを行い、調査結果を基に決めることがありますが、コンテンツの作成にあたっては多くの時間と手間が取られる上に大差はないことのから下記で十分です。
2-1-1.問い合せた担当者の年齢と性別、学歴、年収、役職
そのキーワードを検索する担当者の年齢と性別、学歴、年収はどのくらいでしょうか。「インバウンドマーケティング」というキーワードの場合にはWeb部門を任される人ということで比較的若い年齢だと推測できますので、28歳の男性で大卒の年収390万円と仮定します。
2-1-2.会社の住所
会社の住所を推測します。(※東京と大阪が必然と多くなります。)
2-1-3.会社の業種
会社の業種を推測します。
2-1-4.会社の規模
会社の雇用している社員規模を推測します。ここでは10人規模の会社と仮定します。
2-2.【手順2】1人の人間像として具体的に落とし込む
上述した手法により下記のターゲット像が明確になってきました。
- 担当者の年齢:28歳
- 担当者の性別:男性
- 担当者の学歴:大卒
- 担当者の年収:390万円
- 担当者の役職:役職は付いていないがWebでの問い合わせ獲得を任される
- 会社の住所:東京都
- 会社の業種:営業代行
- 会社の規模:10人
次にこの担当者はどんな悩みを持って、何を達成したくて、そのキーワードを検索したのかを明らかにしていきます。
キーワード検索する場合に背景には必ず悩みがありますのでそれを明らかにしましょう。また、達成したいことを知ることで検索者の満足度を上げることにつながります。
今回の場合、下記のように仮定しました。
担当者は今までテレアポでクライアントを獲得する営業マンであったが、ある日上司から「Webを使って問い合わせを増やせ」と指示が出され、Web担当者に任命された。
会社は今まで営業のテレアポと一部リスティング広告に頼りクライアントを獲得していたが、「リスティング広告」は広告単価が上がる一方で効果等に限界を感じ始めていた。
「LPO」によりコンバージョン率を上げる方法もあるが、どうせなら広告費を極力抑えて問い合わせを獲得できる方法があれば一番いい。ということでSEOを中心とした情報収集を行う。
そこで、メルマガ購読や検索エンジンにより情報収集している過程で「インバウンドマーケティング」という方法を知り、「インバウンドマーケティング」についてもっと知りたくなった。
この担当者は会社からの期待に対して結果を出すことで応えたいというゴール意識を持っている。
2-3.【手順3】ペルソナシートに当てはめる
ここまでで、そのキーワードを検索してくる人が明確になってきたので、これをペルソナシートに当てはめていつでも把握できるようにしておきます。
作成したペルソナにはあたかも実在する人物として感じられるように写真や氏名を入れることでより具体的にイメージできるようになります。コンテンツを作成する際にはペルソナシートを眺めながら、「その人物にどんなコンテンツを提供すれば喜んでくれるだろうか」を徹底的に考えて作成します。
間違っても広告だらけであったり、そもそもペルソナを無視するような手抜きコンテンツだけは作らないようにしてください。
下図は実際にここまで行ってきたものを当てはめてみたものです。参考にしてみてください。
ペルソナは目的ではなく手段である
いかがでしたでしょうか。
ペルソナ作成の手順をご紹介しましたが、ペルソナを作成することは目的ではなくコンテンツを良質にする為の手段です。
作成したペルソナが抱えているニーズを徹底的に満たすコンテンツを作成することで検索訪問者に喜んでもらえ、ソーシャルメディアでの拡散やナチュラルリンクの獲得にも貢献するため、検索エンジンにおいて時間の経過と共に徐々に上位表示し始めます。
良質なコンテンツを繰り返し投稿していくことで次第に読者を貴社のファンにすることが出来ると同時に、お問い合わせの獲得が期待できます。
なかなか検索エンジン経由で問い合わせの質や量が不安定で上がらないという悩みを持つ担当者様は是非この手法を試してみてください。
これを機会に貴社のインバウンドマーケティングが満足の行くものになれば幸いです。
<著者プロフィール>
インターネットメディアの企画・運営やコンテンツ制作を手がける株式会社IAMmediaにてライターとして活躍。普段は主にBuild up内のコンテンツ執筆やクライアントのコンテンツマーケティングに用いるコンテンツ作成を行う。読者に喜んでもらえる高品質なコンテンツ制作を心がけています。