「集客数やコンバージョン数が伸びない」「直帰率がずっと高いままだ」など、Webサイトの運用担当者は、Web解析ツールの数字を眺めては、一人ため息をついているかもしれません。BtoB企業においても、マーケティングにWebサイトを活用するのが当たり前になりつつある中、どのように自社サイトのパフォーマンスを評価し、改善につなげればよいのでしょうか。
BtoB企業の2社に1社がWebサイト活用に失敗?
BtoBマーケティングにおいても、見込み顧客との接点としてWebサイト活用に注力する企業が増えています。サイトを使ってWebマーケティングを実施する場合、BtoB企業のKPI(重要業績評価指標)となるのは「コンバージョン数」でしょう。
MARKEiTでは、Webサイトの改善コンサルティングサービスを手掛けていますが、ほとんどのBtoB企業においてサイトの目的は、問い合わせや見込み顧客の獲得です。実際、ある調査によれば、BtoB企業の約8割が、見込み顧客の獲得、囲い込みのために「Webサイト活用」に取り組んでいるといいます。
しかし、その一方でWebマーケティング担当者の半数近くが「Webサイト活用の効果が出ていないと感じる」と回答しています。つまり、少し表現を変えると「BtoB企業の2社に1社がWebサイト活用に失敗している」ということです。その原因は、一体何なのでしょうか。
理由の一つとして考えられるのは、Webマーケティング施策の「効果測定・検証の難しさ」です。例えば、どの項目をどれくらいの期間計測するのが最適なのか。出てきた結果に対して、どのような評価をすべきなのか。そうしたWeb解析や効果測定・検証のノウハウは、一朝一夕では身に付きません。さらに、適切にサイトを評価、分析できなければ、効果の高い改善策の実施も難しいはずです。
コンテンツSEOを目指しても
最近、ニーズが急拡大しているオウンドメディア運用、コンテンツ制作も、Webマーケティング担当者が効果を感じづらい取り組みかもしれません。そもそも中長期的活動であるうえ、記事の閲覧だけで問い合わせに直結することはまれで、即効性のある施策を期待されるとなかなか注力しきれない状況もあるでしょう。
また、コンテンツマーケティングの実践時に、Webマーケティング担当者がやりがちなこととして、検索ボリューム(検索数)やSEO(検索エンジン最適化)ばかりを意識し、コンバージョンに寄与しない、集客効果のみを狙ったコンテンツをつくってしまうことが挙げられます。
しかも、ちゃんと狙い通りにPV(閲覧数)が増えたり、検索結果の上位に表示されれば御の字で、ほとんど読まれない死蔵記事になることも多く、集客数が増えなければ、当然コンバージョン数の増加も見込めません。
課題の解消は“自社サイトの健康診断”から始める
実際にWebサイトを運用する現場では、「コンバージョン数はずっと横ばいで、最近はやや右肩下がり」「思った以上に訪問数が伸びず集客に苦労している」「どうしても直帰率が高く、ユーザーが満足する体験が提供できていない」など、自社サイトのパフォーマンスに不満を感じながらも、改善策を実施できていない場合も多いかと思います。
こうしたWebマーケティング担当者が抱える課題を特定し、解消するにはどうすればよいのでしょうか。その第一歩といえるのが「Webサイトのパフォーマンス診断」です。身体のあちこちを念入りに検査することで、その人の全体的な健康状態を客観的に把握する健康診断をイメージしてください。
健康診断ですから、「熱がある」「腰が痛い」といった身体に現われた個別の症状を診るのではなく、まだ表に出ていない潜在的な健康リスクを見つけ出すのが目的です。Webサイトでいえば、従来のアクセス解析などでは見いだせなかった“隠れた課題”や“真の問題点”を発見したり、解決すべき課題の優先度を決められるメリットがあります。