【目次】
第1回「ベンダーマーケッター カンファレンス」の様子はこちら
売上のボトルネックを探れ!買い方でなく買われ方を理解せよ
基調講演 2BC株式会社 代表取締役・尾花 淳 氏
基調講演で「マーケティングの未来とマーケティングオートメーション」について説明する 2BC株式会社の代表取締役・尾花 淳 氏
基調講演は、「マーケティングにおける課題とマーケティングオートメーションの可能性」をテーマに、2BC株式会社 の代表取締役・尾花 淳 氏が登壇した。尾花氏は、4P(Promotion、Place、Price、Product)という考え方が示すように、マーケティングは立場によって意味合いが異なることを指摘。その上で、売上を伸ばすという最終的なゴールを達成するために、ボトルネックがどこにあるのかを俯瞰的に整理するべきだと述べた。
ボトルネックを探るベースになるのが、売上の因数分解。例えばBtoBのビジネスであれば、売上は、「案件金額」「成約率」「案件数」で導かれる。さらに「案件数」は、「リード数」「獲得率」で導かれる。このように項目をブレークダウンしていくことで、売上の増大のボトルネックがどこにあり、それをどう解決するべきかが見えてくるという。その上で、ツールを選択するというのが本筋だと説明した。
しかし、尾花氏の経験でも「マーケティングオートメーションが話題だから導入したい」という企業からの相談を受けることがあるとのこと。これはまさに本末転倒でまずはボトルネックとそこに対する有効な打ち手を検討するべきだと強調する。
さらに、売り方も重要だ。カスタマージャーニーを考える、というのはよく言われることだが、よくある失敗が売る側の視点で「買い方」を作ってしまうこと。本来は、実際に顧客がどう行動しているかという「買われ方」を整理して、それを加速するにはどうするべきかを考えなければいけない。
マーケティングオートメーションの導入は4Pに立ち返ってボトルネックを探ることから始まる
BtoBビジネスの場合であれば、購買プロセス、プロセスごとのキーパーソン、その人の問題意識などを見極め、最適な人に最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適な手段でコミュニケーションし、購買プロセスを進めていく必要がある。プロセスの途中にハードルがあれば、そのハードルを超える売り方を考える必要がある。
テクノロジーで最適な人に最適なコミュニケーションをする部分を解決するのが、マーケティングツールで、マーケティングオートメーションもそこに着目している。
ただしマーケティングオートメーションは、一部のマーケティングプロセスを自動化し、これまで人間が手を動かしていた部分は自動化できるが、頭を動かす部分は自動化できないと指摘。例えば、実行状況の自動最適化はできても、施策内容の自動設計などは当然のことながら当分は難しいという。
なお、マーケティングオートメーションの可能性として、売上のアップだけでなく、各工程の状況を見て、マーケティングの各ステップでの最適なリソース投入を実現し、組織全体の生産性向上が期待できると語った。
今マーケターはどんな活動をして成果をあげているのか
第一部パネルディスカッション
マーケティング担当者のマーケティング活動の実態
第一部のパネルディスカッション。各サービスのマーケッターが登壇
続いて、パネルディスカッション「マーケティング担当者のマーケティング活動の実態」では、株式会社ベーシック の部長でferret編集長・飯髙 悠太 氏、株式会社レコチョク の宣伝グループ長・庄司 健太郎 氏、ヴォラーレ株式会社のインバウンドマーケティング責任者の佐藤 和人 氏がパネラーとして登壇、株式会社ガイアックスのINBOUND marketing blog編集長で本カンファレンスの発起人でもある中村 竜次郎がモデレーターとなりディスカッションを行った。
中村: 最初に、皆さんが実施されているマーケティング活動とその目標についてお伺いします。
まず、ベーシックの「ferret 」編集長である飯髙さんにお尋ねします。
飯髙氏: ferretは2つ目標があって1つはPV、もう1つが登録会員数ですね。現在は私が編集長で、ライターが3人、ディレクターが1人、開発が2人なので全部で7人で運営しています。
中村: ferretは毎日記事を7本アップしているということですが、ライター3人でどのようにクオリティを保っているのでしょうか。私が編集長を担当するINBOUND marketing blogの場合、1本の記事をあげるのに兼業ということもありますが、クオリティを重視するため1週間程度かけます。
飯髙氏: 自分が編集長なので最終チェックをしていますが、Webなので後から修正できるという考えもあります。記事のクオリティ担保に関しては、ニュース・最終情報ならこの書き方というように、仕組みを持っていますので、それに沿って書くことで、ライターの書くスピードや編集の確認スピードの効率化を計ることでクオリティの担保をしています。
一方で「カリキュラム」というコンテンツは、Webマーケティングの流れを体系立てて紹介しているコンテンツなりますので、書き方の仕組みだけでなく、最終チェックは1記事1記事行っています。
株式会社ベーシック「ferret」編集長・飯高 悠太 氏。 毎日7本の記事は仕組み化で更新できる記事と編集長がチェックする記事でクオリティを担保していると語る。
中村: ヴォラーレの佐藤さんはいかがですか。
佐藤氏: 「SEO HACKS 」と「UIDEAL」、「growth hack japan 」のメディアを持っていますが、主に会社の認知向上を目的に運営しています。SEO HACKSは管理者がクオリティを重視しているため更新頻度は高くはない代わりに、新メディアのUIDEALは更新に力を入れています。
中村: 続いて運営の目的が2社とは異なると思いますが、レコチョクさんの場合はいかがですか。
庄司氏: チームメンバーは3人です。「dヒッツ 」が伸びているので、そこをいかに宣伝するかが目標です。宣伝は記事広告やWebの動画をバズらせて宣伝することを目指しています。
株式会社レコチョク・庄司 健太郎 氏。自身のミッションをサービスの認知度向上と語る。
中村: ヴォラーレさんはマーケティング担当が佐藤さん1人と伺っていますが、まわせるものですか?
佐藤氏: まわさないといけない、という状況ですね。「SEO HACKS」は定期的にコンテンツをアップするのが現状できないこともあり、コンサルタントに発信する機会として、他メディアへSEOについての記事を寄稿させていました。
また自社セミナーでリードを獲得し、メルマガによって定期接触を図っていくということをやっています。
中村: Web以外の活動ではどんなことをしていますか。
ferretは広告なしで150万PVを達成したということですが。
飯髙氏 :現状はWebのみで、流入チャネルの約半分がオーガニック、残り半分はソーシャル・リファラル・ダイレクト・メルマガといったチャネルでほぼ均等に別れています。。記事によって、狙うチャネルが別れてくるのですが、基本的には記事をアップして、まずソーシャルメディア経由でどう広めるかということを考えています。
中村: レコチョクさんはCMなどもやっていますね。
庄司氏: 現在、CMはあまりやっていません。ソーシャルゲームも同じですが、WebとCMをやったら次はイベントですね。今後、他社と提携してイベントでプロモーションしていく予定です。
中村: ヴォラーレさんは、「schoo 」で講演したり、オフラインのセミナーを開催されたりしていますが、その意図は?
佐藤氏: ヴォラーレという会社を知っていただかないことにはコンサルティングの相談もいただけけないので、schooへの露出も認知向上のためにやっています。
中村: 3社ともそれぞれ成功されているように思えますが、課題はありますか?
3社の成功要因を探るモデレーターの株式会社ガイアックス・中村 竜次郎
庄司氏:山のようにありますが、1つは記事の広告、Web動画をバズらせるというのはやったことがない施策なので、どうしたらいいのか、どこを成果とするかを議論しています。
中村: ferretさんは、MAツールの「Homeup!」を提供されていますが、そのマーケティングでの課題はありますか?
飯髙氏: 参加されている皆さんに伺いたいのですが「Homeup!」ご存知でしょうか?
「homeup!を知っている方」との飯髙氏の質問に数名が挙手。
この認知の少なさが、まさに課題ですね。春にリリースし、MAツールとしての機能は網羅的にあり、ユーザーからするとなんだかすごそうだけど、結果導入するとどうなるのだろうか。というように、一言でサービスのメッセージが伝えることができてないのが課題です。
とはいえ、現状は対象とする業界を絞り、営業をしており、事例として公開できるものも出てきています。
ferretは現状単月で150万PVとはいえ、まだまだ知られていないこと、記事コンテンツですべての課題を解決できないので、記事以外のアプローチを探しています。
中村: ヴォラーレさんは1人で担当されているということで、リアルマーケティングオートメーションを実現しているのかと思うのですが。
佐藤氏: 先ほど尾花さんのお話で機械でやる部分、手動でやる部分の話がありましたが、一部ツールを使っていますがほぼ手動でやっていますね。今後はマーケティングオートメーションの導入も検討していき、施策を強化していきたいです。
中村: 今後の施策は?
飯髙氏: プロダクトとしてはマネタイズですね。実は新たなサービスとしてコンテンツマーケティング支援を開始しました。
各種サービスの認知拡大に取り組んでいきます。
庄司氏: Instagramなど新しいサービスを使ったプロモーションは伸びていくので、効果を考えつついろいろな施策をやりたいですね。
佐藤氏 :今やっていることをもっと深堀りしていきたいですね。マーケティングは突き詰めていくと広報活動にも繋がる部分がありますので、自社の広報と協力してWebコンサルティングに関してもメディアに取り上げられる取り組みをして認知向上を図りたいです。
マーケティングオートメーションツール最前線! 激アツのディスカッション
第二部パネルディスカッション
マーケティングオートメーションベンダーのマーケティング活動
第二部のマーケティングオートメーション提供ベンダーの登壇者
第二部のパネルディスカッションでは、マーケティングオートメーションツールのベンダー3社による「マーケティングオートメーションベンダーのマーケティング活動」をテーマに議論された。パネリストは、株式会社シャノン の代表取締役 CEO・中村 健一郎 氏、株式会社フロムスクラッチの執行役員・三浦 氏、株式会社イノーバ のCloud CMOプロダクトマネージャー・豊倉 濃 氏、モデレータはヴォラーレ株式会社のインバウンドマーケティング責任者・佐藤 和人 氏が担当した。
佐藤氏: それでは各社で提供されているマーケティングオートメーションツールの紹介をお願いします。
中村氏: シャノンでは、クラウド型マーケティングオートメションツール を提供しており、この分野のクラウドサービスでは50%のシェアを誇ります 。非常に幅広い機能を提供しており、BtoB、BtoC問わず活用されていますし、大手だけでなくベンチャーでの導入も豊富です。
三浦氏: 我々フロムスクラッチは2014年11月に次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」をリリースしました。コンセプトは一気通貫、All ine Oneです。一気通貫というのは、集客施策、販売促進、売上・顧客管理と、各マーケティングプロセス全体をカバーすることで本質的なデータマーケティングができることを意味しています。
All in Oneというのは、マーケターにとって必要な機能を、全てB→Dashに取り入れていていることです。さらに、本日AI機能の新規実装も発表しました。人工知能によって、分析や施策立案などの業務がすべてが自動化できるようになり、もしかしたらマーケターが不要になる時代が到来するかもしれません。
豊倉氏: イノーバではコンテンツマーケティングを提供していますが、Cloud CMO では、コンテンツマーケティングのプロセスを自動化することに注力したマーケティングオートメーションになっています。コンテンツマーケティングでは、プロセスごとに適切なコンテンツを提供しますが、少ないマーケティングチームでも効果を最大化したいときに力を発揮するツールですね。
佐藤氏: マーケティングオートメーションツールの導入は、企業にとってどういう面でプラスになりますか?
三浦氏: 結論から言えば、確実にプラスになりますね。これまで、営業マネージャーは、営業会議で各営業メンバーの見込み顧客を管理していましたが、会議に上がらない見込み顧客、すなわち各メンバーが裏で管理している見込み顧客までは管理できませんでした。マーケティングオートメーションは、この営業マネージャーが管理しきれない見込み顧客まで管理することができるようになります。1社1社の見込み顧客に、一人ひとり担当営業をつけるようなことがマーケティングオートメーションで実現します。ツールと、それを使う企業が伴走しながら見込み顧客の育成をしていくことで、ヨミの精度が上がっていき、それに伴い成果も上がっていきます。
マーケティングオートメーションの導入はリードナーチャリングの精度を確実に上げていくと 説明する株式会社フロムスクラッチの執行役員・三浦氏。
豊倉氏: 今まで予測できなかったことが予測できるようになるのでマーケターは楽になります。例えば、展示会経由、コンテンツ経由などリードの種類によって、次のステップにいくのはどれくらいか、受注の確率はどれくらいかを過去の実績から判断できます。どの経路でリードをどれくらい獲得できれば受注が目標に達するか、というマーケティングパフォーマンスを予測できるため、予算の配分がしやすくなります。
中村氏: 商談の量が増えますね。マーケティングオートメーションツールが興味を持っているリードを見つけた上で接触できるので、既存顧客はもちろん、新規の方との商談の場を作っていくことができます。
佐藤氏: MAツール導入前に意識してほしいことはなんでしょうか?
中村氏: 魔法のツールではないので導入すれば成果がすぐに出るというものではないことです。基調講演の尾花さんのお話にもありましたが、マーケティング全体の目的、課題が整理できていることが前提です。
佐藤氏: 弊社の場合リードの獲得と、そこからナーチャリングするのが、それぞれ独立して行っているので、これらをつなげる部分に、自分自身のマンパワーを使っているのですが。
中村氏: データの一元化、統合は人手で頑張るところではないので、自動化すべきですね。例えば、メールの配信でも、どういう人にどういうメッセージを送るかという分類は自動化するべき項目の1つです。
マーケティングで自動化するべき施策を説明する株式会社シャノン 代表取締役 CEO・中村 健一郎 氏
佐藤氏: 三浦さんは、先ほどいずれAIによってマーケターが必要なくなると仰っていましたが、私も不要になるということでしょうか(笑)
三浦氏: データ分析、レポート作成、次回アクションの決定などの業務は、今後確実に機械に代替されていくでしょう。そうなった場合、人間は人間にしかできない業務にリソースを割く必要が出てきます。
例えば、プロダクトやサービスのポジショニング選定やメッセージ開発など、もっとコンセプチュアルでクリエイティブな業務ですね。今後ますます、作業員と化してるマーケターの価値観の変容、行動変容が必要になるでしょうね。
佐藤氏: なるほど。ではそれを受けて豊倉さん。弊社ではコンテンツマーケティングをすでに実施していますが、御社のCloud CMOを使うと、どの面で楽になるのでしょうか。
豊倉氏: 接触したコンテンツから相性のよいコンテンツに自動で誘導する、読んだコンテンツやページに合わせてターゲットを絞ったメールを配信するといったことができますよ。佐藤さんは導入したら仕事が楽になる、ツールにピッタリの人ですが、実は導入する8割くらいの企業が最初は仕事が増えて楽にはならないことに注意して欲しいですね。
といういうのも、Webサイトやブログにコンテンツがあること、ebookやホワイトペーパーなどのダウンロードコンテンツがあること、そこから獲得したリードにメールを配信したりセミナーを開催できていることが成功の条件になります。マーケティングオートメーションは、そのコンテンツやリードへのナーチャリングプロセスをオートメーションするツールだからです。
今何もしていない場合は、コンテンツを作るところから始めないといけないので作業は増えます。ですから、すぐに活用できているところは、あらかじめ専任担当者がいて、コンテンツや予算が準備できているところということになります。自社の今の立ち位置がどこなのかを明確にして導入するのが成功の第一歩になりますね。
それからリードが増えたときに、そのリードを後ろの工程でどう育てていくかということも重要です。コンテンツマーケティングやマーケティングオートメーションがうまく機能しだすとリードが増えるので、ベストはインサイドセールスの部隊を用意することです。まずは電話でコンタクトしてそのリードに会う必要があるのか、現在どういう状況かを知り、確度の高いリードを営業に回すという仕組みづくりが重要になります。
佐藤氏: 皆さん自社ではマーケティングオートメーションをどのように活用していますか。
中村氏: 弊社では、セミナー、展示会、オンライン広告、記事広告、資料請求、お問い合わせ、アンケートデータ公開などあらゆるマーケティング活動をしていますが、その上でシャノンのツールを活用しています。
インバウンドの場合、獲得できるリードに限界があるので、展示会で新しいリードを取ります。展示会は関心の薄い方も多いですが、コミュニケーションを続けた結果、3年後にお客さんになってくれたということもあります。マーケティングオートメーションツールがあるからその成果をたどることができます。
三浦氏: 施策はオンラインもオフラインもたくさんやっていますが、施策偏重型にならないように注意しています。例えば展示会に出展しても、獲得したリードを、その後どのように活かしていくかを、あらかじめ設計していないと、いくら施策を打っても意味がありません。
尾花さんのお話にもありましたが、営業プロセスにおいて、自分たちのボトルネックがどこにあるのかを知るとこが出発点です。まずは俯瞰をしてみて、母集団形成に注力するべきなのか、それとも 成約率などの歩留まりを改善するべきなのかなど、プロセス全体を見直して、シナリオ設計を行う必要があります。幸い、弊社にはクライアントにサービスを提供しているコンサルタントに、社内のマーケティング強化にも協力してもらうことで、確実に成果が出ています。営業活動そのものの設計が非常に大事で、そこがぶれてしまうとどんなに優れたツールを導入しても成果が出ないのです。
佐藤氏: 私も活動の設計をちゃんとやれれば、AIには負けないようになりますかね?(笑)
三浦氏: AIにはいずれ負けるでしょう(笑)
いま世の中は、テクノロジーの発展に伴い、あらゆる顧客接点においてデータを取得・蓄積できるようになっているのに、それを全く使いこなせていない状況です。例えば、GoogleアナリティクスでもPVや流入経路を見てレポーティングするくらいしか使いこなせていない方がほとんどだと思いますが、AIは人間では処理しきれないビッグデータを自動で解析し、売上があがるための変数を自動で見つけてくれます。
人間はAIに代替されるということではなく、AIをどう使うのか。マーケティングの土壌づくりにAIをどう活かしていくかをしっかりと考えれば共存することはできます。AIに負ける、負けないではなく、人間がAIをどう活用するべきかを考えなければならないのです。
佐藤氏: イノーバさんでも、自社MAツールをご利用ですか。
豊倉氏: はい、メール配信、ブログもすべてCloud CMOを使ってやっています。認知を取るときはブログ、リードを獲得するときはランディングページを用意してEブックを置く、メールでセミナーなどに誘導するといった基本をコツコツと行っています。最近は、いろいろな企業と業務提携をして、流入を強化するためのネイティブ広告配信など、露出先の増加を支援できる機能も実装しています。
自社提供サービス「Cloud CMO」を使った自社マーケティングについて説明する株式会社イノーバのプロダクトマネージャー・豊倉 濃 氏。
佐藤氏: 皆さんサービス提供開始からこれまでの間、ツール開発にどれくらい投資してきましたか。
中村氏: 2006年から開発を始め2007年にリリースしましたが、累積の桁感でいうと10億円は投資していますね。クラウドサービスはよくなって当たり前なので、改善が前提で投資し続けています。
三浦氏: 開発し始めてまだ1年ですが数億円はゆうに超えています。例えば、DMPの受託開発の会社に見積もりを依頼すると、びっくりするくらいの金額がでてきますが、我々もそれくらいの投資をして開発をしています。受託開発だと、開発した当初は最新の機能が搭載されたものが出てきますが、数年後には陳腐化してしまいますよね。でも莫大な金額を投資したから企業は使い続けなきゃいけない。クラウドのサービスなら時代とともに機能もどんどんアップデートされていくので、投資対効果、使い方、リスクを鑑みてもユーザーにメリットが大きくあると思います。
豊倉氏: 弊社でも資金調達したら開発に投下、制作であげた売上も投下しています。
佐藤氏: それでは最後の質問となりますが、各社今後の活動について教えてください。
豊倉氏: マーケティングリソースが限られた企業でも使えるよういらない機能はつけずに、マーケターが使いやすいツールとしてつきつめていきたいです。
三浦氏: 既存の機能を磨き込むことはもちろん、AIをはじめとする「あったらいいな」といった機能をどんどん作っていきたいですね。
中村氏: 企業のビジネス上の課題を解決するためのツールを提供することですね。自社の課題、ボトルネックを分かっていない会社も多いので、数字や課題の見える化をしていきたいです。未来の機能としてはAIなども研究開発しています。
佐藤氏: 第二部ご登壇いただいた皆さん、ありがとうございました。
登壇者を交え活発な質疑で盛り上がった懇親会
懇親会では参加者と登壇者で活発な意見が交わされ具体的なマーケティング施策の話で盛り上がりました。
1部、2部のパネルディスカッション後は懇親会を開催。「マーケティングオートメーションのことがわかった」「まずは自社の施策を見直したい」などの声が聞かれました。
「ベンダー&マーケッター カンファレンス」運営のDigital Marketing Associationでは次回の開催に向けたテーマの検討に入りました。第3回も楽しみにお待ちください。
<執筆>
株式会社 深谷歩事務所
代表取締役 深谷歩
ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援を行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、講演活動、動画制作も行う。またフェレット用品を扱うオンラインショップ「Ferretoys 」も運営。
著書
『小さなお店のLINE@集客・販促ガイド』(翔泳社)
『SNS活用→集客のオキテ』(ソシム)
『小さな会社のFacebookページ制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さな会社のFacebookページ集客・販促ガイド』(翔泳社)