マーケティング戦略の一環としてブログで情報発信する企業が増えています。しかし、ビジネスである以上は費用対効果がつきまとうもの。特にこれまでブログの運営経験がない方にとっては、どのように運営するべきなのか、どの程度人手が掛かるのかなど、想像できないのではないでしょうか。
そこで今回は当ブログを例に挙げて、企業ブログの運営方法に見込んでおくべき工数(時間)について解説します。
※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。
デジタルマーケティングを支援する
マーケティング戦略の一環としてブログで情報発信する企業が増えています。しかし、ビジネスである以上は費用対効果がつきまとうもの。特にこれまでブログの運営経験がない方にとっては、どのように運営するべきなのか、どの程度人手が掛かるのかなど、想像できないのではないでしょうか。
そこで今回は当ブログを例に挙げて、企業ブログの運営方法に見込んでおくべき工数(時間)について解説します。
※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。
【目次】
当ブログでは、いくつかの基本的なルールに則って運営しています。
前提を理解していただくために、まずはその運営ルールを紹介します。
まず、更新頻度は原則として週1回(稀に2回)です。火曜日の朝9時を基本として、内容によって水曜日や木曜日に変更します。一定のリズムで書き続けることで安定した運営をすることが狙いです。以前は「一日1本」「週に3本」で運営していたこともありますが、当ブログへの費用対効果を考えた際に、現在は「週に1~2本」で運営しています。「思いついたら書く」という運営だと、どうしても執筆を後回しにしてしまうため、自社内での締め切りを作ることは重要です。
当ブログの想定読者はBtoB企業のWebマーケティングに従事する人と明確に定めており、ガイアックスだからこそ発信できるお役立ち情報を発信することで、認知を向上させることを目的としています。
元々記事のライティングは全て社内のメンバーで行っていました。しかし、内製だからこそ書けるオリジナルなノウハウ記事だけではどうしても視野が狭まってしまうため、現在は社外のライターにも積極的に寄稿してもらう方針に転換しています。
1記事の運営サイクルは以下のようになっています。
まず最初の段階では記事の企画を決めます。当ブログでは月に1度の割合で編集会議を開催しており、その場で翌々月の記事構成を決めています。あらかじめ3名のブログ編集委員がそれぞれネタを持ち寄り、その場でアイディアに肉付けしてコンセプトと執筆者を決めます。また記事を執筆するにあたり、その記事のKPI(目標とする指標)を決めます。例えば、Facebookのいいね!数であったり、ツイート数であったり、サービスサイトへの誘導数であったり、時にはソーシャルメディアでの拡散ではなく、ロングレンジで集客に貢献する記事を執筆することもあります。本質はソーシャルメディアでの拡散ではなく、役に立つ情報を提供することです。ソーシャルメディアでの拡散やサービスサイトへの誘導を意識し過ぎると、それが目的の記事になってしまうことがあるので注意しています。
1記事あたりの投下時間・・・0.5人日(4時間)
企画が決まったら、構成を作成します。ここでいう構成とは具体的には目次と小見出しまでを指します。まずは記事の材料になるような情報を社内外にリサーチし、原案を作成します。その後編集委員の間でフィードバックし、最終案に落とし込みます。なお、外部のライターに寄稿してもらう場合にはこの構成段階からお願いするようにしています。以前は企画案出しからお願いすることもあったのですが、こちらの意図しない内容になることもあったため、今はコンセプト・タイトルはこちらから提示します。ライターによっては、より良いタイトルを提案してくれることもあります。
1記事あたりの投下時間・・・0.5人日(4時間)
構成まで決まれば、いよいよ執筆です。ブログ運営経験のない方にとっては特にここが大変と感じられるかもしれませんが、企画・構成さえしっかり出来ていれば意外に書き進めることができます。ただし文章は細部にまで注意を払わなければなりません。内容に問題がなくとも文法が変ではないか、展開に違和感はないか、誤字脱字はないかなど、細かく複数人でチェックを行うことが重要です。また、この段階で必要なイラスト作成や写真撮影も行います。
1記事あたりの投下時間・・・1人日(8時間)
出来上がった原稿をWebサイトに反映していきます。あらためてブラウザ上で記事のトーンやレイアウトをチェックして、問題がなければ公開します。またこの段階で重要なのは記事の拡散です。当ブログでは記事を公開後Facebook、Twitter、ガイアックス公式サイト、社内メーリングリストにて拡散を行っています。
1記事あたりの投下時間・・・0.3人日(2.5時間)
毎月末、その月に公開した記事の振り返りを行います。企画段階で決めたKPIを中心に、記事ごとのPVだけでなく、ソーシャルブックマーク数、コンバージョン数(資料ダウンロード、セミナー参加など)、オフライン・オンラインでの反響をチェックして費用対効果を検証します。狙い通りに行かないときもありますが地道に数値化して改善につなげる作業は欠かせません。
1記事換算の投下時間・・・0.1人日(約1時間)
以上の運営フローで1ヶ月間(4週間)投下時間を測定してみたところ、合計投下時間が9.6人日(=77時間)という結果になりました。
あくまで当社の運営スタイルで、なおかつ全て内製で記事執筆を行った場合の数値ですが、一定の基準値にはなるかと思います。これから企業ブログを開設しようと考えている方、運営を見直そうと考えている方は参考にしてみてください。