BtoBマーケティングのプロが明かす!BtoBサイトで魅力的なコンテンツをつくるコツ

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B2Bマーケティング株式会社の堀首(ほりくび)と申します。

弊社は、社名の通りB2B(BtoB)企業のマーケティングとセールス領域のコンサルティングを行っております。起業以前は、CRM関連業務パッケージの販売会社に所属しておりましたが、システム導入以前の戦略策定や業務改善を中立的な立場でご支援させていただく必要性を感じ、2011年に会社を設立して現在に至ります。

「サイトをもっと充実させたいけれどアイディアが思いつかない」「魅力的なウェブのコンテンツの作り方が分からない」とお悩みのweb担当者様は多いのではないでしょうか。弊社でもご相談を頂いた際に、コンテンツは必ずといっていいほど話題にあがります。

そこで今回は、見込客の購買プロセスに応じたWeb上のコンタクトポイント設計とコンテンツ開発のヒントを、具体例を交えてご紹介します。皆さまのマーケティング活動において、少しでも参考になれば幸いです。

※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。

【目次】


7つの購買プロセス

BtoBビジネスにおける、7つの購買プロセス

こちらの図は、BtoB企業における一般的な購買プロセスです。今回は特に情報収集段階、社内起案段階に絞って、効果的なコンテンツの作り方をご紹介します。

今回は架空のITベンダーを題材にして、見込客の購買プロセスを考えます。ここでは製造業の担当者がコスト削減に関する問題意識を抱えており、インターネットで情報収集する場面を想定します。ターゲットにしたいお客様の感情の変遷や条件を考慮して、どういった行動をとりそうか想定しながら考えてみるとよいでしょう。

情報収集段階の見込客とサイトコンテンツ

仮に、ターゲットの多くがGoogleで「製造業 コスト削減」と検索すると想定します。このITベンダーは、ターゲットがうまく自社のコンテンツに到達するよう、SEO、リスティング広告などのSEM(Search Engine Marketing)を実践する必要があります。

ただし、ここで大事なことは、想定したキーワードで集客するだけでなく、キーワードに応じたコンテンツをWebサイト上に用意しておくことです。情報収集段階における見込客の多くは、具体的な製品やサービスに関する情報ではなく、あくまで課題解決に向けた情報収集を行なっている点を忘れてはなりません。


情報収集段階~課題に応える~

そして、導きたいコンテンツに見込客を誘導できたら、「リード・ジェネレーション」すなわちリード情報を獲得して、継続的なフォローができる状態にもっていくことが肝要です。
一般的な問い合わせは当然のこと、資料請求やメルマガの登録フォームなど、見込客の検討段階に応じて複数のコンバージョン・ポイントを用意すべきです。

初期の情報収集段階では具体的な解決方法を認識していない場合も多く、問い合わせるほどの課題意識を持ち合わせていないことがほとんどです。
そこでこの段階では、「ホワイトペーパー」と呼ばれるコンテンツの活用をオススメします。

ホワイトペーパーとは、自社製品・サービス、関連技術などの優位性を紹介する、あるいは市場環境や技術動向のレポート、事例紹介などをまとめたマーケティング・コミュニケーションのための文書です。課題解決に向けた関連情報やその重要性に改めて気付いていただくのに最適なツールです。初期の情報収集段階にある見込客に有益な情報が提供できるコンテンツだといえるでしょう。

お客様のリード情報、すなわち個人情報を預けていただくためには、それ相応に動機付けされる情報や特典が必要であり、当然のごとく”GIVE & TAKE”なのです。

ホワイトペーパー活用案その1~事例をまとめる

具体例で考えてみましょう。製造業のコスト削減に貢献した成功事例をまとめたホワイトペーパーを用意することにします。具体的な提供ソリューションは、以下とします。
①Web会議システム
②ERP
③インターネットVPN
しかしここでは具体的な製品やサービス名を軸に訴求すべきではありません。例えば、コスト削減を実現するために以下の3つのテーマを切り出して紹介するのが望ましいでしょう。

(1)業務改善/業務効率化
※主管部門:総務部、営業部、顧客サポート部
(2)原価・生産管理の情報化
※主管部門:情報システム部、製造部、生産管理部
(3)インフラの再構築
※主管部門:情報システム部

ここでは、「製造業 コスト削減」と検索してきたターゲットを想定していますので、例えば『この大不況を乗りきるためのメーカー独自の“攻め”のコスト削減』と題したホワイトペーパーは如何でしょうか。

ホワイトペーパー活用案その2~データをまとめる

また、調査系レポートもホワイトペーパーの企画としては効果的です。参考までに、ある業務システムを販売されている弊社のクライアント事例を紹介します。

このケースでは数百社のシステム導入企業に対してWebアンケートを行い、調査結果としてまとめたホワイトペーパーを作成しました。実際に導入した企業のデータを提供することで、今導入を検討する見込客に対して気付きを与え、背中を押してあげる効果があります。これまでWebサイトに訪問していたものの離脱していた見込客との接点を強化するツールとして活用しています。

ダウンロード数を増やす、いくつかのコツ

ちなみに、ホワイトペーパーを請求・ダウンロードするためのエントリーフォームでは、後のフォローに必要な情報だけを入力項目として求めることをオススメします。というのも、コンバージョン率は入力項目数に反して低下するからです。

勿論、目的としてリードの質を問うのか、量を問うのかによって戦略を変えても問題ないかと思います。人的リソースが十分にあり、請求者に対してテレセールスを行う場合や、入力項目によって配信する情報の内容を変える場合は、例えば「所属部門」や「立場」、「認識されている課題」など詳細な入力項目を用意されてもよいかと思います。

なお、ホワイトペーパーを集客により寄与させるためには、目次やサマリーなどをコンテンツとして自社サイトにアップしたり、特定の業界あるいは部門(立場)向けのダウンロードサイトなどに公開したりすることで、より多くのターゲットにリーチすることも可能です。

CanonITソリューションズが公開するホワイトペーパー『製造業の調達担当者206名に聞いた、購買・調達の活動実態調査』ダウンロードサイト調査結果の一部をWeb上に載せることで 、SEO対策を行いつつダウンロードへ上手く誘導を行っています。

ナーチャリング~顧客を”育てる”

留意すべきは、これらのホワイトペーパーなどで獲得した見込客(リード)のの多くは“いますぐ客”ではないということです。よって、継続したフォロー施策(メールやセミナーなど)が重要になります。

メール本文に対するクリックやWebトラッキングなど、見込客の一連の行動によって興味の対象や検討度合いを把握しながら最適なコミュニケーションを図っていく…大変複雑な作業になりますが、現在ではこうした活動を簡単に実現するためのITツールや知見が整いつつあります。これらナーチャリング活動に関する情報については、別の機会でご紹介できればと思います。


社内起案段階~購買を後押しする~

お客様サイドで必要な情報収集と課題の整理が進みますと、いよいよ社内起案による予算化のフェーズに移ります。

一度でもシステム導入等の企画書や稟議書を作成したことがある方ならお分かりかと思いますが、一般的には同類製品との比較や相見積が求められるため、それを想定した見込客とのコンタクトポイントやコンテンツを整備しておく必要があります。

次のケース では、「インターネットVPN 事例」と検索されるケースを想定します。検索者の要求に応えられるコンテンツやコンバージョン・ポイントを用意しておく必要があります。

社内起案段階の見込客とコンテンツ

「事例」は絶対押さえておくべきキラーコンテンツ

BtoBに限らず、導入事例などの「顧客の声」はマーケティング上(セールスにおいても)のキラーコンテンツであり、工数やコストを費やしてでも整備しておくべき対象です。特にBtoBにおいては、個人の衝動買いではなく、会社の予算を投下する責任が伴うため、「過去の実績を参考にして出来る限りリスクを排除したい」という関係者側の心理が強く働きます。

以前業務システム販売を主事業にしている上場企業に協力いただき、資料請求などのコンバージョンに至ったセッション内で閲覧されたページを集計・分析したところ、興味深い結果が得られたので参考までに紹介しておきます。

コンバージョンと閲覧されたページの関係性(※リスティング広告からの流入は除外)

「料金表」と「事例紹介」のページ以外は全て「その他」でまとめてグラフ表示していますが、事例関連のコンテンツがアクションの動機付けに少なからず貢献していることが容易に理解できると思います。
ただし、同業種であっても、Webサイトの構成やその内容、ページ数などによって、これらの結果は大きく変わってくると思いますので、あくまで一例として捉えてください。

この検討段階におけるコンバージョン・ポイントとしては、見積依頼や社内起案を後押しする企画書の雛形ダウンロードなど、見込客の検討度合いを見極められる要素も持ち合わせているものであれば、以後の営業フォローが推進しやすくなります。この段階まで到達しますと、その後営業マネジメントの領域に移行します。


まとめ

今回は、Webを起点に見込客と最適なコミュニケーションを図るために、見込客の購買検討プロセスに応じたコンタクト・ポイントとコンテンツ開発についてお伝え致しました。

あらためてポイントを整理します。

◇情報収集段階における見込客の多くは、あくまで課題解決の為の情報を欲している
◇見込客の検討段階に応じたコンバージョン・ポイントを用意しておく
◇多くのリードを獲得するために「ホワイトペーパー」の活用は有効
◇“いますぐ客”ではないリードに対する継続したフォロー施策を実践する
◇事例紹介はキラーコンテンツであり、工数やコストを費やしてでも準備しておく

国際的な観点でみますと、日本企業の販管費比率は依然として相対的に高いと言われ、マーケティングあるいはセールス領域におけるROIの向上や生産性の改善には、”B2Bマーケティング”のさらなる発展や浸透が求められていると考えています。弊社は社名としてだけではなく、その責務を背負ってさらに尽力して参ります!

※弊社でも調査レポート系のホワイトペーパーを公開しておりますので、よろしければご参照ください。
『B2Bにおけるメールマガジン講読に関する実態調査』~いまだメールマーケティングは有効か!?~

B2Bマーケティング株式会社 堀首(ほりくび)


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